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レッジョエミリア

Posted at 12/05/10

レッジョエミリアという北イタリアの町の幼児教育についての話を

聞きにに行って来ました。

汐見稔幸先生や保育士さん、研究者の方たちが、

実際に3月に行かれたそうです。

 

レッジョエミリアは、2001年に表参道のワタリウム美術館で紹介されて、

日本でも注目されるようになったそうです。

とても、興味深いものでした。

 

子どもたちが造るアートが、とにかくすごいのです。

さすがイタリア!と思うような色彩感覚。

見ていて楽しくなるような、愛らしい造形や絵。

レッジョエミリアには、3歳になるまでの乳児保育所、

3歳からの幼児学校の両方に、

保育士・教諭の他にアトリエリスタというプロの芸術家がいて、

美術教育と共に、表現することを指導するそうです。

 

このシステムはもちろんですが、

日本とは、社会が違うのだな、と思いました。

 

イタリアは、社会が美術に対する関心が高く、

子供の教育を大切にする社会なのだと。

レッジョエミリアは、第二次世界大戦で、

ドイツ軍が入ってきたという町だそうです。 

そのため、戦争の反省をふまえて、市の予算の4割を教育に費やしているそうです。

 

また、文化についても日本とは違いを感じました。

政治について、バールでうるさく話し合う大人達を見て、子どもは育つ。

だから、子どもも自分の意見をどんどん言うそうです。

 

例えば、子どもが「海に行ったらたくさん群衆がいた」と話したら、

「では、群衆を描いてみよう」というテーマを設定して、描いてみる。

一人の子が、他の子の絵を見て、

「この人達は、みんな前を向いている。群衆はばらばらなのに、おかしい」

と言うと、

「確かに、でもいろんな方向を向いた人は描けないから」

それで、いろいろな向きの人の描き方を、研究する、

といった具合に、4~5人のグループで話し合って、

課題を見つけて、それに取り組んでいくそうです。

一つのことを、何か月もかけて取り組むそうです。

 

レッジョエミリア以外でも、イタリアのある街で、

子どもが「こんな家あったらいいな」

というコンセプトでデザインした家を、

建築家が数十軒、実際に建てて、

2000万円で売り出して、今、住民が住んでいる、

という街の映像も見せてくれました。

絵のような、夢のような街です。

これは、建設会社が主導して、プロジェクトとして、

何カ月間も子どもと一緒にワークショップをしてやるそうです。

 

レッジョエミリアでは、お祭りの時に、

子どもが作った工作の靴を、靴屋さんのショーウィンドウに並べたり、

帽子を帽子屋さんに並べたり、 子どもが、こうだったらいいな、

ということを実現させてあげることをしているそうです。

 

美術にかけるイタリアの力はすごい、と思わせられました。

そして、子どもには無限の可能性があって、

それを大人が引き出して、実現できることは叶えてあげる、

ということの大切さをまざまざと見せられた思いでした。

小林

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